兎、引っ越しする
早朝、胡散臭い坊主を呼び出したラパン
「なんだ。出張費は出るんだろうな?」
「引っ越すことになったから挨拶しとこうと思ってな」
「貴様は挨拶するのに相手を呼び出すのか」
「いいじゃねーかアーン?」
「・・・今日は貴様に物を売る前にだな、ありがたーい説法をしてやる。まず挨拶したいなら自分から出向け。解ったか?」
「ブディストはそれが当たり前なんだな?オレ様はちげぇからよ。すまねえな」
「・・・まぁいい。それよりどこに越すのかは知らねぇが、コイツを買っとけ」
「それこの間買ったぜ?なんか違うのか?」
「見た目は同じだが俺様の念が込められている。買うか?」
「買う」
「あと希望するなら定期的に幽霊退治グッズの小冊子を送ってやるが・・どうする?」
「いる。で、その小冊子は幾らなんだ?」
「(小冊子にも金払うつもりか・・?)毎月5000シムオリオン」
「わかった。住所は・・・」
「ああ、この家もお前にやるぜ。ついでに亀と犬もやるよ!じゃあ挨拶回りにいくから後は宜しくな。あ、犬は最後の散歩させてくるわ」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・達者で暮らせよ」
勝手に逃がす
預けたはずの亀が捨てられたことを知らないラパンはそのままぺロ宅へ
「よォ」
「こんにちはラパンちゃん。どうしたの?」
「引越しのお別れにな、挨拶に来てやった」
「え!?お引越し!?・・まぁ話は家で聞くよ、どうぞ入って」
「ラパンちゃん・・どこに引っ越すのかわからないけど一人で大丈夫なの?」
「アーン?なにがだ?」
「ホラ・・お友達とかいないでしょう?寂しかったら死ぬんじゃない?兎って」
「親戚の家だから大丈夫だぜ?」
「親戚っていってもその人たちにも生活があるから・・・ラパンちゃんにばかり構っていられないでしょう?」
「オレ様は一人でも大丈夫だぜ?」
「いや、無理だよ。すぐ迷子になるし。」
「タクシー拾えばいいだろアーン?」
「タクシー拾ってもお家がわからないと送ってくれないよ?」
「親戚に電話するからいいだろ?」
「親戚にも生活があるって言ったばかりでしょ。おバカさんなの?・・もういいや、僕も引っ越すよ同じ街に。わかった?」
「わかった」
亀は消えたがお供に犬人間が増えた
「(あー、金持ち兎様はどこかなー。あ!いた!)ラパン様!!アイス屋です!」
「おう、アイス屋じゃねーか。ウサギさん1個くれ。後このメモにある住所にな、毎月100個づつ送ってくれ」
「え?」
「そこにオレ様は引っ越すんだ。もうここでは買ってやれないからな」
「あの・・・この住所・・・・覚えがあるんですけど・・・悪い意味で・・・」
「アン?そこのヤツ、オレ様の親戚だぜ?」
「ええええええ!!!!!!・・・・あの・・狼でしょうか・・それとも猫・・・」
「猫の方だ。そういや旦那が狼だって言ってたな」
「(さ、最悪の奴らに最高のお客様の組み合わせ・・どういう事なの・・・)あの、その家だったら毎日行ってるんで問題ないですよ・・今から行きますしね・・」
「そうか!じゃあ乗せて行ってくれ。行き方わからねえんだオレ様とした事がよ」
「あの、お席お拭きしましたんでどうぞ乗って下さい」
「お?じゃあこれ食ってからな。汚すと悪ぃし」
「(なんていい人なんだ・・!それに比べてあの狼と猫ときたら・・・)」
そして夜のラパン邸
「お前の餌はそのパンケーキ(のカス)だ。味わって食え」
ラパンは新しい街でどう過ごすのか!?あと亀と犬の運命はいかに!?
・・・という訳でラパン篇はここで終了!ラパンの今後はフェンリル篇第3部5日目から!よろしくね!