サクレの中にレモンの薄切り入ってるけどあれって食べていいのかな?
朝っぱらから絡まれる
「ちゃんと耳の裏まで洗ってんのか!?くせぇ!」
「(あーもう、うっさい・・・)」
今日はそんな平和な狼家の朝に嵐が訪れる
「お客さん着きましたよ」
「あァ~。どォ~~~も。これお代ねぇ~」
「こ、こんなに頂けませんよ!」
「いぃ~~~んですよォ、お疲れサン!また乗せてねぇ~~」
ピィ~ンポォ~ン
「あのーぅ、わたくしぃ~ガルムとォォ~~申しますぅー。フェンリル君居ますぅ~?」
「貴方がァ~お噂のフェンリル君の奥さんでぇ?嗚呼、お初にお目にかかりますぅ、わたくし、フェンリル君の旧友でしてぇー」
「初めまして。・・ほら、お友達ですよ。挨拶なさい」
「あのーぅ、フェンリルくーん?」
「あーよしよし!プポ可愛いねえ!」
「あなた、お友達が恨めしそうに突っ立ってらっしゃいますよ。お相手して差し上げなさい」
「ああ~よしよし!プポは可愛いなぁ!ねー!」
「あのーぅ「あー!なんか後ろが臭いねぇプポー。ゴミかな?クズかな?ね!」
「無視ですかァ?仕方ないですねぇー、綺麗な奥さんにお相手してもらいましょうかねぇ・・」
「あーあーあー!うるさいよ!あーもう!・・・
とりあえずお座り。そして三回土下座して。」
「私は犬じゃぁ~~ないんですがねぇー」
「犬じゃん。整形して耳と尻尾取っただけじゃん。それなのになんで胸毛は処理しないの?バカなの?犬なの?」
「世の女性達はセクシィィィーーだと褒めてくれるんですがねえぇ」
「お世辞だよバカ」
「にしても・・よくもまぁヌケヌケと!お前の顔見るとイヤ~な事思い出す!」
「まぁいいじゃありませんか、済んだ事ですしィ~?」
「済んでないよ!!トラウマだよ!!てゆーかお前にとってもトラウマでしょ!」
「ワタシにとっては甘~い思い出ですよ。貴方をいじる事ができるんですからねぇ」
「死ね!!!」
「こうして再開出来たんです。ハグでもどうですぅ~?」
「くさ!!香水くさ!!あと犬くさ!!あとボクもう仕事の時間だから!
・・・・バカウサギ~~~!お客さんの相手してて~~~!!」
「バブバブー!バブバブー!・・ハッ!これで満足かアーン?」
「ブゥ!」
「じゃあ次は宙返りだ。華麗に決めろよ?」
「あー!」
「返事しなさい!バカウサギ!!・・ああ!もういいよ!ボクはいくからね!!ヌコタンあとはお願いね!」
一抹の不安を抱えながらの仕事
HEY!YO!ナポリのポリ公イヌ公連れてけ
アイツはキザで ギザうざス!
ナポリのポリ公イヌ公連れてけ
ティレ二ア海に 沈めとけ
HEY YO・・・
その頃の狼宅。覗きに遭うカッツェ
ア~ア!
アイツは高校デビュー野郎!元々メガネのガリ勉さ!
ボクに 水泳の授業でパンツ隠っされ それを根ーに持ってやがるんだ YO!
「フェンリル様”ぁ~~~ン”!パンツ見せてぇ~!」
「嫌です」
そんなこんなでギグ終了。帰宅
「ただいま~・・てアレ?誰もいないの?」
「ここに居るぜ」
「バカウサギ?・・・
・・て、ちょっと!なに汚れ物そこ置いてるの!」
「オレ様洗濯機使ったことねえ。だから触るの怖ぇ」
「バカなの!?洗濯機は噛み付かないから」
「噛むぜ。きっとな」
「ほんとバカウサギ!・・まぁいいや、ヌコタンは!?」
「カッツェなら知らねぇ男とジャグジー入ってんぜ」
「は!!!??」
「ンンーーー、いい気分ですねぇ~」
「ちょっと!なんでお前居るの!?帰って!帰ってーーーー!!!」
「ヌコタン!あの胸毛森男と何してたの!?」
「何もしてませんよ。ああ、トイレに行った後に聞きたい事があります」
「貴方、あの雨に濡れた犬の臭いのする方とどういう知り合いなんです?」
「あの胸毛?同級生だよ。中高一緒だったの」
「えらく毛嫌いしてらっしゃったでしょう。何があったんです?」
「何って・・・うん・・まぁ・・いいじゃない。その事は」
「よくありません。私はどちらかというと野次馬タイプなんです」
「興味本位で人の過去をほじくり返すの!?・・・まぁいいや・・・
・・・あれは21歳の頃だよ。ボク、夜のお店の女の子達にお金使いまくって、食べるのにも困るくらい貧乏になってね。住んでたアパート追い出されたの。丁度そのときガルム・・胸毛もギャンブルで借金こさえて逃げ回っててさ、まぁアイツん家金持ちだから帰れば良かったんだろうけど親に怒られるの嫌がってね、家賃折半して二人で家借りて暮らし始めたの」
「何ですかこの家。トレーラーハウス?」
「ちょっと!人の頭ん中見ないで、っていうか見えるんだ!?」
「で、それから?」
「う・・うん・・
で、ボクは朝から晩まで働いてご飯も作って・・やっすい卵料理ばっかだったけど、ホストの仕事で生活が乱れてるアイツの事考えてさ、バランス良く作ったりしてたの。・・・
・・それなのに"ワタシ~、レストランでの食事に慣れてるものですから~"とか毎回嫌味言ってきてさ。良く喧嘩したもんだよ」
"ウルサイよ!レストランレストランって・・今じゃ貧乏、食費も入れないクセに!"
"まぁまぁ、そんなにムキになる事ないでしょうが"
"黙って食べる!わかった!?"
"大体こんなものハエでも食べませんよ"
"ッアァー!ムカつく!!食べるもん!ハエも食べるもん!!"
「・・・まさかその位であんなに彼を毛嫌いしていたのですか?」
「違う。・・・・
・・・その、あ、うん・・・やられたんだよ・・・その・・後ろ、を・・・」
「え・・・」
「ボク、おかまバーでバイトしてたんだけど、疲れて帰ってきて・・女装したまま寝ちゃって・・・酔っ払って帰ってきたアイツに元カノと間違われて・・・」
"スピー、ムニャムニャ・・・"
"・・・・カテリーナ・・・?"
"カテリーナ!!!愛してる!!!"
"んぅー・・・・・ !!ちょっと!何するの!!!"
"この照れ屋さん!可愛いですねぇ!ああ!ワタシのカテリーナ!!"
"ちょっと待って!ボクカテリーナじゃない!ちょっとまtt"
"アッーーーーーーーー!!!"
「その翌朝、ボク達はあがく事をやめてお互い実家に帰ったよ」
「目が覚めて、あの方死にたくなったでしょうね」
「どういう意味!?どっちかっていうとボクが死にたかったよ!!」
「・・で、あの方昔から濡れた犬の臭いだったんですか?」
「どうでもいいでしょそんな事」
苦々しい過去の記憶・・・フェンリルは逃げ延びる事ができるのだろうか!?
次回「犬、ふたたび」お楽しみにね!たぶんウソ予告だけどね!