8日目 カッツェのお遊び

「おや、先に起きた様ですね。・・・フフ、もう気付いたでしょうか」

カッツェが一人ほくそえんでいる。何かしたのだろうか?

 

その頃のフェンリル。・・・?何か違和感が・・・・

 

 

 

毛が消えていた。耳すら消えていた。

「あれ?なんか今日涼しい・・・まぁいいや。」

寝ぼけているのか、頭の一大事に気付いていないようだ。

 

 

「ツルツルですね・・プ!」

 

ニヤニヤが止まらないカッツェといまだに気付かないフェンリル

「おはようー。先にたべてるよー」

「お早う御座います。フフッ」

 

朝食を摂り、トイレへ向かうフェンリル

「うんこ!」「いってらっしゃい」

 

トイレには鏡がある。フェンリルはそこで何を見るのか。

・・・

・・・・

・・・・・

嗚呼ああああァ!

フェンリルは見た。ハゲた自分を、カッツェの痛すぎる愛を。

 

 

 

 

 

浮気癖に無職同然の男。

許したフリして根に持っているカッツェであった。

 

 

 

 

 

「ちょっとぉ!!!カッツェちゃんでしょ!?これやったの、カッツェちゃんでしょ!?」

「ええ。とってもお似合いですよ。・・・プ!」

「笑い事じゃないよ!耳ごと丸剃りって!」

「だって貴方言ったじゃないですか、

 

 

・・・思い出しました?」

「いや、剃るって言ったんだよ!剃ってって言ったのは陰毛の方ね!?」

 

「うるさいですねぇもう。・・・いいですか?

なにやら言い訳があるらしい。

 

 

 

話が大きくなった。

 

「え・・・?あぁ、うん・・・」

フェンリルは何も言い返せなかった。意味が解らなかったからだ。

 

 

 

「大丈夫です。次のカットで元に戻りますから」

「あ そうなの?」

そしてうまく丸め込まれた。

 

 

「あ!ホントだ!元に戻った~!もう、カッツェちゃんのいたずらっ子☆」

「つまらないですねぇ・・・」

「ボクもイタズラしちゃおっかな~」

 

「あ、仕事の時間ですよ。スナック売りの。

「うん!ポップコーン売ってくるね!」

 

嫌味はフェンリルに通じない。(頭が)幸せ者だからだ。

 

 

「フェンリル、行っきまーす!」

 

「・・・今日もサボりますね、あの人。」

なにかを感じたらしいカッツェ。・・ニュータイプか?

 

 

 

 

 

やはりカッツェはニュータイプだったようだ。

彼の予想通り、フェンリルは仕事をサボりステッリーナ(お星ちゃん)の家に来ていた。

 

階段を降りると変態がいた。

 

さっと背を向けるストレイ。

「(・・なんで住所割れてんだ・・)」

「ストレイちゃん~こっち向いて~」

「・・・なんでここに居る・・・?」

「会いにきたんだよぅ。あ、住所は仲のいいパパラッチにきいたんだ へへ!」

こう見えてもフェンリルはセレブなのだ。スナックの売り子だけども。

 

「あ!」

「じゃあな。俺は忙しい。」

駆け出すストレイ。ちゃんと巻く事が出来るのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・ダメだった。逃走失敗

裏庭に回り、風呂で一息付いているとお湯の中からフェンリルが沸いてきたのだ!

「てめぇ・・何してやがる・・・!」

「お風呂に入ってるよ

だってそこにお風呂があったからね。」キリッ!

 

どんなに格好をつけたところで変質者には変わりない。

 

「クソが・・・」

イライラ絶頂のストレイ、ストレス軽減のため大好物のまんじゅうを温め中。

そしてフェンリルはというと、

 

 

 

職質中だった。

「変質者がいるって電話があったんだけど。アナタかしら?

 

さぁフェンリル、どう出る!?

 

 

 

「やだなぁ!そんなワケないでしょー?変質者ならボクがさっき追い出しましたよ!

・・・でも、こんな美人の婦警さんならタイホされちゃいたいかも~!?

「上手ねぇ~。・・・わかったわ。また何かあったら電話してね、ボクちゃん」

 

女性の相手はお手のモノ!

フェンリルは逮捕を免れた!

 

 

そして何事もなかったかの様に食べ物を要求するフェンリル。

「おまんじゅうじゃなくてパスタ食べようよー。ねー」

なんという厚かましい狼だ。しかしストレイも負けじとこう返した

 

「帰れ。警察呼ぶぞ。今度はのな。」

 

 

 

 

 

「あ、帰らせて頂きます」

 

 

 

*ストーカーは犯罪です。ダメ!絶対!